紐育あたふた日録:2003年7月26日(土)〜27日(日)

・帰国の日――フライトが午前10時なので,早朝起床を忘れずに荷作りをびしびししないとね.イケイケな日々が物足りない気がしないでもないが,ま,ここは再来を期しておとなしく帰りましょ,日本へ.※結局,日録を書いたり,トランクへのパッキングをしたりして,寝たのが午前2時過ぎ.
・カリフォルニアのNapa Wine――JFKの第1ターミナルのワイン・バーで供されていることを発見.はたして買えるかしらねえ.この期に及んで,なお食欲にはしるとは情けなや〜.
・というわけで,あとの顛末記は,明日の昼に成田に着いてからということになります.じゃーねー.
――――――
・ホテルをチェックアウト,そのままタクシーでJFKのTer.minal 1に直行し,7時半には空港に到着.フライトは10:10発のJL047.ところが,この便だけ飛び離れて早いことが判明.Terminal 1から出発する他の便はどれも午後1時過ぎ以降になっている.フシギ?(理由は2時間後に判明).
・チェックインして出国,免税品ショップで少しばかり義理を果たす.お,Napa ワイン,あるじゃん.げ,この価格はいったい...――他のカリフォルニア・ワインがどれもUS$20前後なのに,「Napa」と銘打たれるだけで,どーして$50〜$170にも値段が跳ね上がってしまうのでしょ.でも,1本はゲットしましたです.
・搭乗までまだ時間があったので,バーでBrooklyn Lagerなんてビールをぐいっと飲んだりして.そういえば,アメリカ滞在中はほとんどビールを飲まなかったような気がする.食べてばっかし.
・9時過ぎた頃から,どやどやと人数が増えてきた.なあるほど,JL047ってサンパウロからの接続便でもあるわけね.日系の顔ぶれがどんどん増え,さらに増え,もっと増え....こりゃほとんど満席だろう.
・予定時刻よりも遅れて搭乗.確かに満席に近い.通路側の座席を確保して.読む本やらiPodやらを出して.やっと落ち着く.なんたってこれから13時間かかるもんね.あ,赤ワイン下さいな,スチュワーデスさん.
・アラスカ上空で『A Rum Affair』を読了.後半になると,そこはかとなく哀愁が漂ってくる.スコットランドも行ってみたいもんですねえ.シングル・モルトに惹かれるだけではなく.
・Updike『The Well-made Book』――この本自身が【well-made】なんでしょうね.いまどき英語圏では珍しくなったクロス装丁,ぺらぺらしない紙質(Cougar Opaque Natural Paper),この本のためにつくられたオールドタイプ・フォント(Founder's Caslon)などなど.内容も,タイポグラフィーとか装丁とか,上質の本を作る上で心掛けるべきことがつづられている.半世紀以上も前の文章だが,味わいがある.初版のうち40部だけはハンドメイドの装丁が施された特装版とのことだ.いい本はもっているだけで豊かになれる.
・Updikeは,本づくりに関してはWilliam Morrisとは正反対のスタンスだったそうだ.「理想の本」対「よくできた本」という対比がそれ.ケルムスコット・プレスの本というのは,いつか手にしてみたいと思う.そういえば,ストランド書店のバーゲン・コーナーには,アール・ヌーヴォーのデザインカット集があったなあ.
・でもって,この〈well-made book〉を撫で撫でしながらワインを舐めたり,うつらうつらしつつまた読み進んだりという時が過ぎていきました.寝たような寝ていないような――夢か現か.
・本日の総歩数=21425歩.※よう歩きましたなあ.
→ terug naar Hennig XXII 2003