東京大学理学部専門科目「生物統計学」2007年度第1回レポート課題


次のふたつの課題に関してレポートを書くこと:


【課題1】データから最良の仮説を導く「アブダクション」は,推論様式としてどのような特徴をもっているか.統計学的な思考法との関係に着目して述べよ.


【課題2】ある作物の品種と収量との関係を調べるため,4品種(品種名1〜4)を用いた6反復の完全無作為化法に基づく実験計画を組んだ.ところが,実験の途中,不慮の事故により,品種3の6実験区のうち二つが壊されてしまい,残り4区画のみのデータしか得られなかった.最終的に得られた収量データを図示すると下記のようになった(横軸は品種,縦軸は収量):


また,この実験におけるいくつかの統計量と分散分析表を下記に示す:

 品種  データ数  品種平均
  1    6    20.490
  2    6    37.403
  3    4    20.462
  4    6    29.897
分散分析表
 変動因  自由度  平方和  平均平方  F値  P値
 全体    21   1396.5
  品種    3   1115.3   371.8   23.80  0.000
  誤差   18    281.2    15.6 

この実験に関する下記の設問に答えよ.

  1. 本実験における帰無仮説と対立仮説を示せ.
  2. 品種3における「事故」は統計分析のどこに影響するだろうか.
  3. 一般的な分散分析の原理と方法について述べよ.
  4. 本実験の分散分析の結果から品種間の収量差に関してどのような結論が得られるか.


レポートの提出方法と締切は下記の通り:

【締切日】2008年1月10日(木)
【提出先】三中信宏まで電子メールで提出すること.
【留意点】レポートは,氏名と学籍番号を明記し,メール本文にプレーンテキストとして書いて送信すること.一切の添付ファイルは御法度である.また,正常に受信された場合にかぎり受領メールを返信する.受領メールが届かなかった場合はレポート不着の可能性があるので注意されたい.


Last Modified: 20 December 2007 by MINAKA Nobuhiro